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神林隆道先生の英文原著論文が「Clinical Neurophysiology」誌に掲載されました

 本研究では、これまで明らかとなっていなかった正中神経刺激体性感覚誘発電位(正中神経SEP)と聴性脳幹反応(ABR)のBickerstaff型脳幹脳炎(BBE)の早期診断への有用性について検討しました。BBEは特に発症初期には原因不明の意識障害・脳炎とされて診断が遅れたり難渋することがあります。IgG抗GQ1b抗体陽性所見は他疾患との鑑別やBBEの診断に役立つものの、結果判明までに時間を要することも多く、全例で陽性となるわけではありません。本研究の結果から、正中神経SEPでの頭蓋内での高度な障害を示唆する所見とABR正常という所見の組み合わせは、BBEの早期診断に有用であることが示されました。実際に当院ではBBEが疑われる症例に対し、正中神経SEPとABRを入院後すぐに行うことによって早期から診断し治療介入しています。論文内でも実際の症例について提示し、正中神経SEPとABRの早期診断の有用性について詳述しています。臨床に直結する有用な所見であり、広く応用されることが期待されます。また、本論文では正中神経SEPの詳細な検討から、BBEの意識障害の首座はテント上にある可能性についても言及しています。

 

Utility of the combination of median nerve SEPs and auditory brainstem responses for diagnosing Bickerstaff brainstem encephalitis

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