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第11回神経心理特別診

 今月の神経心理特別診では、DKA昏睡で入院後に線条体を中心とする出血性梗塞を発症した患者さんを評価しました。SLTAを抜粋して施行しましたところ、自発語は喚語困難や意味性錯語が目立ち、灰皿の線画の呼称で「バケツ」と言い誤るなど、正解率は5/20でした。絵に描かれている動作の説明は錯語が強く6/10でした。一方で復唱は長文もほとんどよどみなく言うことができました。読字も比較的保たれており、実際に病室ではギャグ漫画を楽しんでおられるそうです。総合的にみて、流暢性が保たれるものの錯語が目立ち、復唱が保たれる超皮質性感覚失語(TCSA)の特徴がみられました。TCSAは一般的には後方言語野周辺の病巣でみられますが、前頭葉や視床の病巣に伴うものも知られています。本症例のように線条体病変でTCSAを呈するのは比較的稀かもしれませんが、CBFなど機能画像は行われていないので、皮質の機能低下やdiaschisisの関与も考えられます。

 抄読会は前回の続きで、国際医療福祉大学の時村先生がGerstmannの原著 (1927)を解説してくだだました。前回は5症例の記載でしたが、今回はそれに対する考察部分でした。手指失認の病態に失行が関連するのか、あるいはこの論文がでる少し前にHenry Headが提唱した身体図式の障害に関係するのか、といった議論があったようです。身体図式に関連して、body ownership、sense of agency、somatoparaphreniaなどの関連する概念について活発に議論しました。

 抄読会の後は、時村先生が以前呈示してくれた純粋失読の症例のフォローアップや、獨協大学の高橋嶺馬先生が左ACA領域梗塞に伴う発話障害の症例について、皆で議論しました。実際の症例を持ち寄り議論を深めることはとても有意義であると改めて感じられました。

 恒例の懇親会は十条の「ほり」さんにお邪魔しました。今回は学生さんは夏休みで忙しかったようで、やや平均年齢が高い懇親会となりましたが、和やかでとてもくつろいだ時間を過ごすことができました。

  

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